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VOL038-企業年金  1999/APR/29 朝刊1面「確定拠出型年金 主要企業の6割前向き」

退職給付についてVOL036VOL037と簡単な説明をしてきました。退職給付に関する積立不足額が今後、各企業の大きな負担となることもおわかりいただけたのではないか、と思います。また、積立不足額を増加させている要因として、予定運用利回りと実際の運用利回りの差も挙げられるということもご説明しました(VOL036をご参照下さい)。

今回は、これらの問題の背景となっている年金の仕組みを簡単にご説明してみたいと思います。

日本企業の多くが現在採用している年金の仕組みは、確定給付型と言われるものです。決め方はいろいろあると思いますが、勤続年数や退職時の給与などによって、いくら払います、という給付金額が退職時に確定しているものです。いくら支払います、と決めているので、運用利回りが悪ければ、その分多くの資金を企業は拠出しなければなりません。

もう一つの年金の仕組みとして、確定拠出型というのがあります。こちらの方法は、拠出する金額(年金掛金)は確定していますが、給付金額はその運用利回り次第となります。企業にとっては拠出する金額が決まっていますので、運用成績の影響は受けません。

受給者たる我々個人として、どちらの方式がいいか、については議論があると思いますが、高齢化社会を目前にしている現在、仕組みとして確定給付型を続けることにはやはり限界があるだろうと思いますし、現在の企業年金は私のように転職すると、一からやり直しとなってしまいますので、就業者の流動性を高めるには不都合な仕組みでもあります。

さて、名称をお聞きになったこともあると思いますが、アメリカの確定拠出型年金の代表的なものに401kプランというのがあります。現在、日本版401kプランが2000年度の導入を目処に準備されているようです。「加入者が自己責任で資産を運用しなければならないなど確定拠出型年金にも特有の問題があり」ますので、今後の十分な検討を期待したいと思います。

 

日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/

 

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