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お母さんのための

日経新聞入門講座

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VOL041-グローバルスタンダード 番外編9

最近、ここでお話している多くのことに共通するキーワードとしてグローバルスタンダード(世界標準)というのがあります。恐らくお母さんも、あちこちで見聞きされておられることと思いますが、わかったようでわからない言葉だったりしませんか?まずは、日本経済新聞社の経済新語辞典98年版でその意味を確認してみることにしましょう。

「世界に通用する標準的な経営手法。規制金利時代の邦銀は監督当局の意向に従っていれば安定した収益を確保できたが,金融の自由化,国際化が進む中で多くの邦銀は「米銀などが採用している経営手法を導入しないと生き残れない」との危機感を強めている。具体的には時価会計制度の導入,自己資本の充実や利益率の向上を重視する経営,経営内容のディスクロージャー(情報開示)の徹底,実力主義に基づく人事・給与制度の導入などを検討している。」

ふむ、どうやら、日本でグローバルスタンダードという言葉が取りざたされるようになった背景には、金融の自由化、国際化があるようですね。それでは、大蔵省のホームページを覗いてみることにしましょうか。

「平成8年11月橋本総理より三塚大蔵大臣及び松浦法務大臣に対し、2001年までに我が国金融市場がニューヨーク、ロンドン並みの国際金融市場として復権することを目標として、金融システム改革、いわゆる日本版ビッグバンに取り組むよう指示がありました。
 21世紀の高齢化社会において、我が国経済が活力を保っていくためには、1200兆円にも上る個人金融資産がより有利に運用される場が必要であり、これら資金を次代を担う成長産業へ供給していくことが重要です。また、我が国として世界に相応の貢献を果たしていくためには、我が国から世界に円滑な資金供給をしていくことが必要です。
 金融システム改革とは、このような観点から、フリーすなわち市場原理が働く自由な市場、フェアすなわち透明で信頼できる市場、グローバルすなわち国際的で時代を先取りする市場の3原則にのっとり、抜本的な金融市場の改革を進めていくものです。これを利用者の側からみれば、例えば、幅広いニーズに応える商品が登場し、銀行・証券等の取扱い業務が拡大することによって、貯蓄をより多様により容易に運用でき、使い勝手がよくなるものと考えられます。
 一方、我が国金融市場の活力を甦らせるためには、本改革の推進と並び金融機関の不良債権を速やかに処理していく必要があり、金融システムの安定には細心の注意を払いつつ改革を進めていきます。」

これは「金融システム改革(日本版ビックバン)とは」という題名で載っている一文です。要約すると、国際金融市場として日本市場が生き残っていくために、フリー、フェア、グローバルな市場となるよう金融システムを改革しますよ、ということですね。

企業にとっては、金融市場は、企業の持つ資産を運用するところであると共に、運営資金を調達してくるところです。金融市場自身が効率性や透明性、国際性を求められているということは、当然、その市場に直接、間接に関係を持つ企業にも同じことが求められるということです。それ故、会計制度も国際会計基準を意識した制度へと変更されてきていている(この一連の制度変更を金融ビックバンに模して「会計ビックバン」と呼ぶ場合もあります)のですね。

結局、グローバルスタンダードというのは、企業の経営活動全般に関する、効率性、透明性、国際性などの価値判断の基準や、これらの価値判断に基づいた経営活動の総称だと私は理解しています。

 

 

日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/

 

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