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お母さんのための

日経新聞入門講座

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VOL047-円高と円安 番外編11

つい7月までは120円台だった「円」が、9月24日の終値では104円となりました。今回は、円高、円安と言った言葉の意味を説明してみたいと思います。

円が高い(円高)、円が安い(円安)、一体どういうことなのでしょうか。この円高、円安という場合、米ドルに対して円の価値が高くなっている、米ドルに対して円の価値が安くなっている、ということの省略形だと思って下さい。

米ドルを1ドル、お母さんが手に入れたいと思っていると仮定して下さい。円相場が120円の時は、お母さんは120円払わないと(手数料は無視しています)、1ドルを手にすることはできません。一方、円相場が104円の時は、104円のお金で1ドルを手にすることができます。このことは、120円の時よりも、円の価値が相対的に高いから、104円で1ドルが手に入れられた、と考えることができますよね。・・・だから、円高なんですね。

円もドルもフランやマルクなどの通貨も、他の商品と同じように市場で売買されています(変動相場制と言います)。だから、ある通貨が高かったり、安かったりするわけです。

さて、円高や円安が企業に与える影響についても少し考えてみましょう。円相場の影響を受けるのは、主に外貨での取引を行っている企業ということになります。海外へ製品を輸出している企業と、海外から製品を輸入している企業では、全く逆の影響を受けることになります。

海外へ製品を輸出している企業が、その売却代金を外貨(ここでは米ドルだと仮定します)で受け取る契約を交わしている場合、円高だと実際に手にする円貨額が減ってしまうことになります。売却代金が100ドルだったとすると、円相場が120円の時は、12,000円(100ドル×120円/ドル)受け取れるのに、104円の時は、10,400円しか受け取れません。一方、海外から製品を輸入している企業の場合はどうでしょう?購入代金を米ドルで支払う契約を交わしている場合、100ドルの購入代金を支払うのに、円相場が120円の時は、12,000円を支払わなくてはなりませんが、104円の場合は、10,400円の支払で済みます。

輸出企業と輸入企業では、円相場の変動の影響が逆になる、ということがお解りいただけたと思います。上の例では、100ドルという小さな金額でしたから、それ程、円高と円安の影響は大きいものだとは思われないかも知れませんが、取引金額が大きくなれば、1円でも円相場が動くと、実際に手にする、あるいは支払う金額が大きく変わり、企業の業績にも大きな影響をもたらします。もちろん、企業は、為替予約等の対策を行って、為替相場の影響が業績に大きく響かないように努力を行っています。それでも、企業自身の努力を超えたところで、為替相場は変動しますから、それだけ業績を不安定にさせる要素であることは間違いありません。

また、私たち個人の生活にも、影響がありますよね。海外旅行へ行く人はもちろんのこと、石油など輸入品の価格にも影響が出ますし、最近流行の外貨預金などを行っている人にとっても、ハラハラドキドキの円相場でしょう。

 

日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/

 

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