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日経新聞入門講座

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VOL046-会計制度の変更3 1999/AUG/23 朝刊2面「整合性ある制度の見直しと再設計を」

今回は社説を取り上げます。この社説は、「新会計が問うもの」というタイトルで、上下に分かれています。上は前日、8月22日に掲載されています。上では、「日本的経営」と言われる経営スタイルについて、その実態を厳しい視線で批判する内容となっています。今回は下の方を中心に取り上げます。

会計制度の変更内容等については、VOL-029会計制度の変更トピックスVOL-040会計制度の変更2VOL-041グローバルスタンダードなどを参照していただけると、概要がおわかりいただけると思います。

「会計制度改革には、経営慣行、法制度、市場構造が新制度を受け入れる状態にあるかどうかの検討を必要とするが、不十分な議論のまま見切り発車した面があることは否定できない事実である。」

本当にそうだと思います。会計制度だけが、突然、しかも大きく変わる、という印象を多くの人が受けたのではないでしょうか。しかし、待ったなし、の状況にあったこともまた事実だろうと思います。社会の変化のスピードが急速に早まっていますから、議論を尽くしている間に、日本だけがおいてきぼりになってしまった可能性もありますから、見切り発車であったとしても、とにかく発車したことを評価したいと、私は思っています。

「問題は現行の会計制度が日本的な企業観に対応しているように、企業法制や企業を取り巻く市場も古い企業観を支えるインフラの役割を果たしていることにある。会計が変わっただけでは企業は変われない。」

インフラとはインフラストラクチャ−(infrastructure)の略で、産業基盤、経済基盤という意味で、ここでは、基礎とか土台などと解釈していただければ良いと思います。

会計基準とは会計処理のルールに過ぎません。企業を取り巻く制度や仕組みには様々なものがあります。そのごく一部に過ぎない会計基準が変わったところで、企業全体が変わるという訳ではもちろんありません。むしろ会計基準だけが変わったことにより、企業を取り巻くその他の様々な制度との矛盾が浮き彫りになっています。しかし、もはや後戻りはできません。様々な制度や仕組みを、新しい会計制度に合わせていく必要があります。

現在検討されている制度としては、持株会社制度、連結納税制度など、新しい会計制度の求める企業の経営形態に経済社会の仕組みを合わせていくものがあります。そして、これから検討されなくてはならない制度には、退職給付に関する制度など、企業だけでなく、私たち個人にも直接的に大きな影響をもたらすものがあります。何がどのように変わるのか、あるいはどのように変えるべきなのか、私たち自身が考え、見据える必要がある課題はたくさんあります。

 

 

日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/

 

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