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お母さんのための

日経新聞入門講座

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VOL060-公営と民営のコスト比較 番外編17

先日ある分析結果をまとめた本を手にする機会がありました。ありゃりゃ〜。そうだろうなぁとは薄々思っていたものの、それが数字になって出てくると、かなり衝撃的なものでした。是非、ご紹介してみたいと思いました。お母さんはこの結果にどんなご感想をお持ちになるでしょう?

項目

公・民のコスト比(%)

備考

可燃ごみ収集 44.6 トン当たり経費
不燃ごみ収集 54.2 トン当たり経費
学校給食 47.4 1食当たり経費
学校給食 22.2 職員1人当たり経費。正規職員と嘱託とのコスト比
運転手付き公用車 16.3 キロ当たり経費。タクシーとの比較
学校用務員 29.8 職員1人当たり経費。正規職員と嘱託とのコスト比
学校警備員 28.2 職員1人当たり経費。正規職員と嘱託とのコスト比
学校警備員 6.1 1校当たり。民間(機械警備)に委託
庁舎清掃 47.6 年間経費
電話交換 34.7 年間経費
市役所案内業務 31.6 年間経費

さて、少し説明をしましょう。出典は地方自治経営学会の「地方行革への手引 公立と民間とのコストとサービス比較 全国延316自治体からの報告とその分析」です。平成10年度決算に基づく分析だということです。上の表の公・民のコスト比とは、「公立(直営)100の場合の民のコスト」という説明があります。ここに挙げたのはその一部で、出典元には、この他に14項目について数字が記載されています。

例えば、可燃ごみの収集については、公立つまり、地方自治体が直接運営した場合に比べ、トン当たりの経費が民間へ委託するとその44.6%、つまり、半分以下のコストで行える、ということになります。なぜそうなるのか、というと、可燃ごみの収集の場合は、作業者一人当たりの回収量が直営に比べ、民間は約2倍多いからなのだそうです。

また、給食や公用車の場合は、一日に働く時間が少ない(給食はお昼時だけですし、公用車も待機している時間がかなりありますよね)にもかかわらず、直営ということはすなわち、地方公務員という身分ですから月給制で働かない時間の分もお給料が支払われています。民間に委託した場合は、おわかりだと思いますが、当然、時間給など、働いた時間や量だけの支払ということになります。

ちなみに、この分析結果によると、直営から民間への委託へ切り替えたことによりサービスが低下したという評価を下している自治体は無いそうです。コストが安くてサービスが低下しないなら、どちらを選ぶべきかは、言うまでもないことでしょう。

この民間への委託、地方自治体でその導入度にかなり格差があるようです。また、委託しているサービスの種類や範囲は様々です。お母さんの住んでいるところはいかがでしょうね。

 

日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/

 

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