2通目


Subject:Re: 2/1のことですが。
Date:Tue, 28 Jan 1997 11:49:51 +0900
From:Shimizu Rinzo
Organization:poet
To:Yasuyuki Suzuki
References:1

鈴木志郎康様

このいくつかのmailのやりとりを、電子mailというものがどのようなものであるかということの例として、会場で配るということを了解していただきありがとうございました。
鈴木さんの現在の関心事といわれる、著作権の問題などもたしかにこれからはっきりさせるべき問題も含まれていると思われます。この点については例えばビデオの著作権の問題(商業行為にかかわらないなら、自宅でテレビから録画して友達に貸してもOKなどの例)に準じるのではないでしょうか。
あと出版権の問題では、いちおう著作者の了承を得たうえで、通告あるいは増刷予定の有無などを聞くような連絡をすべきだと思います。電話でも話しましたが、著作権切れのテキストをどんどん入力して無料で公開していくというような動きがあります。これはとても素晴らしいことだと思います。このへんも会場で少しは話してもいいかとも思います。
日常性というところから、いろいろ書いていくというところからいえば、HomePageを持った人がリアルタイムでいろいろ公開できるところがインターネットの素晴らしいところだと思います。たとえば政治、経済、社会生活などのもっとコミュニケーションの卑近な部分の情報の通路が新しくひとつできたような、画期的なものだと思います。
しかし、詩を書くこと、発表することからの部分からアプローチするわけですからそこからいえば、日常と詩を書くことの繋がりがより、読者に見えるということでバラエティに富んだHomePageはより読者の理解を深めると思います。ひとつひとつのHomePageがその人独自のやり方でやればいいのだから、雑誌のような制約もありません。いままで、詩壇などでまとまっていた人がより分散して、勝手にやりだすというのがとてもいいことだと思うのです。大詩人から、高校生のつぶやきまで、まったく等しく見られるメディアだということが今しぜんに進行していることこそうれしく思われるところです。
また詩書の自費出版については電子情報を使ってより、安価にやれる、ということにも役にたちたいと思っているところです。なにも、原稿を出版社に頼んで似たような詩集を作って宣伝してもらって、100万円を払うより、20万ぐらいで作って、自分でいろいろな方に見せましょう、ということです。詩壇にそういうふうなルートでアピールしてもせいぜい、詩書出版社はその利潤で売れない有名詩人の詩集を出すだけですよ、ということなのです。どうせ、詩書出版社に頼んでも売れるはずはないし、送るだけでしょう。これは悪循環だし、不健全だと思います。
このことについては補足するところもありますが、とりあえず。

--
E-mail////shimirin@kt.rim.or.jp
pcs35778@asciinet.or.jp
清水鱗造(Rinzo Shimizu)
http://www.kt.rim.or.jp/~shimirin/

Subject:Re: 2/1のことですが。
Date:Tue, 28 Jan 1997 12:58:32 +0900
From:Shimizu Rinzo
Organization:poet
To:Yasuyuki Suzuki
References:1


さきほどのmailの補足ですが――
有名詩人という言葉にギクッとされたかもしれません。(^^)
これは商業の流れのなかで、出した言葉で、もちろんいまの状態で、有名であろうが無名であろうが、詩集を出してくれる出版社があったら、誰だって喜んで出すと思いますし、僕だってそういう話はないだろうけれど(^^)うれしいでしょう。
でも、まあ、いまの詩書出版社の現状は前のmailに書いたことがあたっているのではないでしょうか。
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E-mail////shimirin@kt.rim.or.jp
pcs35778@asciinet.or.jp
清水鱗造(Rinzo Shimizu)
http://www.kt.rim.or.jp/~shimirin/

Subject:Re: 2/1のことですが。
Date:Wed, 29 Jan 1997 00:38:23 +0900
From:srys@m1.catnet.or.jp (Yasuyuki Suzuki)
to:Shimizu Rinzo

清水鱗造様
前略 Mail、ありがとうございます。
この点については例えばビデオの著作権の問題(商業行為にかかわらないなら、自宅でテレビから録画して友達に貸してもOKなどの例)に準じるのではないでしょうか。

そうではないようですよ。ホームページに掲載するのは、非商業的でも著作権侵害にかかわるようです。アメリカではそういう訴訟が起きているといことです。
あと出版権の問題では、いちおう著作者の了承を得たうえで、通告あるいは増刷予定の有無などを聞くような連絡をすべきだと思います。

出版権は占有出版権とそうでない場合とがあるようです。占有出版権の場合は、文化庁に登録しなければ発行しないということです。
詩壇にそういうふうなルートでアピールしてもせいぜい、詩書出版社はその利潤で売れない有名詩人の詩集を>出すだけですよ、ということなのです。どうせ、詩書出版社に頼んでも売れるはずはないし、送るだけでしょう。これは悪循環だし、不健全だと思います。

そう言えそうですが、詩集というものの権威に寄り掛かろうとする詩人たちの心もあるわけですし、不健全というのはいいと思うのです。健康な表現というのはどうでしょうか。詩人といわなくとも、人は不健康に出来ているところが面白いのではないでしょうか。
ではまた、草々 1997年1月29日 0時40分

 ◆///// 鈴木志郎康 [Name]Sirouyasu(Yasuyuki) Suzuki
◆◆◆ [Adress]***** Tokyo, Japan
◆◆◆ [Telephone]:*****
[Internet]srys@m1.catnet.or.jp & http://www.catnet.or.jp/srys/
[Profession]Writing & Filmmaking


鈴木志郎康―清水鱗造 往復書簡('97.2.1「なまもの」のための) 目次前頁(1通目)次頁(3通目)
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