チョー汚な話(1997.12.3)---募集事項あります

チョー汚な話(1997.12.3)



 新聞を見ていたら『心に残るとっておきの話』(記憶曖昧)という題の本の宣伝があった。そして、息子が自分のHomePageで
「灰皿に唾を吐くという悪癖のある友人」について書いていておもしろかったので、「心に残るとっておきの『汚な話』」をいうのはどうだろうかと思ったところである。ちょっとその友人の悪癖について客観的に擁護してみると、次のようなことがいえるのではないだろうか。気管に入った塵埃などは絨毛の波のような運動によって食道のほうへ徐々に押し戻される。普通唾を吐かずに飲んでしまうのだろうが、気管に入った自動車の排気ガスなどに含まれる街のゴミはできたら外に出したほうがいいのではないだろうか。睡眠中も胃に入る唾液は大切な消化酵素を供給するらしいが、気管からの痰はむしろ口から外に出したほうがいい。と、その友人の悪癖についてのよい面を書いたが、たしかに汚い。
 次の話は友人の経験を話されておもしろいと思った汚い話である。ゲロ話のカテゴリーに入る。ただ、これは聞いたときにおもしろいので、書くとおもしろくないかもしれない。その点ご容赦ください。
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「これをどうぞ、お持ちください」
 友人は泥酔し終電にやっと間に合って乗った。席も空いていなかったので、扉付近に陣取り気分の悪いまま立っていた。もともと彼は酒に非常に強い男で、夕方一緒にウチで飲んで、僕が30分ほど寝た隙にボトルを全部空けてしまったという人である。
 扉のそばに立つ彼の横にこれまた泥酔して、いまにも吐きそうなサラリーマンふうの男がいた。しばらくして彼はかなりの量を床に吐いた。
 ところで、そのときまで席に座っていた紳士が友人のほうを見た。終電だけあって、床には新聞紙がばさばさ落ちている。その紳士は、吐いたのが友人だと誤解した。
 おもむろに床に落ちた新聞紙を拾い、紳士は吐瀉物を新聞で掻き集めた。そして、
「これをどうぞ、お持ちください」
 と言って友人の胸に向かって差し出した。友人は、
「いえ、いりません」
 と言って紳士の高級スーツの胸にびっしょりと吐瀉物をなすりつけるかたちになってしまった。紳士は怒っているが、吐いたのは自分ではないし、いらないので仕方なかった。
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 ジョルジュ・バタイユは嫌いな知り合いに瓶に入れた自分の大便を郵便で送りつけた、というエピソードについて聞いたことがある。これは、「暴行」が成立するかもしれないと法律をやっている人が言っていた。肥溜めに頭から突っ込んだというような話もよく聞くが、これは40歳過ぎの人にしかリアリティがないかもしれない。

<募集>「汚な話」の記事のあるURLがあったら下をクリックしてmailしてください。このエッセイのページからリンクしたいと思います。たぶんmailはないとは思いますが(^_^)。ご自分の「心に残るとっておきの『汚な話』」をmailに書いてもかまいません。ただし、スカトロジー変態の話だけは没にします。Booby Trapの寄稿者の方、こんなことをやっていてどうもすいません。忙しさも先月末に一段落したので、だーっといろいろやる助走です。
shimirin@kt.rim.or.jp

 さっそくmari bunyanさんから以下2つの「冷蔵庫の汚さを競い合う」がテーマのページを教えていただきました。
奥様冷蔵庫バトル
奥様冷蔵庫フォース(冷フォース)

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