植物、動物 その4【リトープス】――2(1998.4.8)

植物、動物 その4【リトープス】――2(1998.4.8)




 南島とは日本島孤は太平洋に面した海浜をたどれば連続的になっている。言葉や文化が朝鮮半島や中国から流入したとしても、依然南に開けた海浜の雰囲気を南島とは「徐々に北へ」というかたちで共有している。このあいだ、那覇出身の方が、ニガウリや若いヘチマ、パパイヤのことなどを話してくれた。パパイヤは小笠原では、各家で栽培し、競っておいしいパパイヤをつくると聞いたことがある。うまくできるとその種をもらってくる、ということの付き合いがあるそうである。沖縄ではむしろ若いパパイヤを野菜のように食べるらしい。こんな話を聞くと、懐かしさがこみ上げてくる。伊豆で育った僕にはなんとなく南島のにおいが海風に乗ってやってくるように懐かしいのである。
 また、そのずっと先、アフリカの砂漠に宝石のようにリトープスは生きている。昨年の12月に買ったリトープスが「脱皮」したのが、上の写真である。ちょうど、気まぐれに送ってくる「月刊カクタスガイド写真集」がきたので、リトープスのページを開けてみた。左は4月6日に行ったBooby Trapの寄稿者たちの朗読会の会場のオーナーである藤本真樹さんから送られてきたアントナン・アルトーの写真ハガキである。実はこれらはノートパソコンの上にのっている。型落ちで安売りしていたのを買ったものである。要するに楽しいものの集積である。


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