ナイフとたんぽぽ(1996.7.30)

ナイフとたんぽぽ(1996.7.30)


ナイフを振り回したくなることって
ある
でも抑えて道のはたの
たんぽぽを愛でたりする
っていうのは
犯罪だね

それともはらわたを引き裂いて
ゲロみたいに
道端に捨てる時代に
その君は
虐殺のかどで
つるし首
こま切れの刑を受けたのって
その君の
心の清さを物語っているじゃないか

これは高速度の乗り物
びゅんびゅんホッケの干物の中を飛ばす

たんぽぽ愛でる
たんぽぽ愛でる
って汽笛を鳴らして
干物の中を走る

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(ミミズです(1996.8.6))次頁(鬼火を数える(1996.7.24))

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