骨董(1996.8.27)

骨董(1996.8.27)


煙草の煙が綿菓子ふうで
売れる
カビが菌糸をいたずらに伸ばし
良い印だ
骨董だ
骨董だ
あなたの嘘だけを信じよう(ベルレーヌふう)
だから嘘が骨董だ

といって
うちの犬を筆頭に信じられる人ばかりだ
だから飯を食う
米を食う
とはいうものの
昼はイタメシだった

まだ火のついていない煙草
これは税金ふくむ定価だ
煙が
骨董だ
売れる
売れる
売れるものは燃やしてしまえ
煙の柱をいくつか背負い
骨だけの男は行きました
そこに腐ったミルクの甕を持った商人が通りかかりました
それだけ
滓になる
滓に
地面がなにもないように
ひらべったい

◆清水鱗造 週刊詩 目次◆前頁(透明な回廊(1996.9.3))◆次頁(かすかな瑠璃(1996.8.20))◆

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