ホテル(1997.12.23)

ホテル(1997.12.23)


非常口から階段を見ると
ウェディングケーキの残骸が
トルソのように
踊り場に立っている
細い机の引き出しに
ロゴが印刷された便箋と封筒
大きなバッテンを書いてみる
笠からぬくい光を
受けて黙っている
赤い屋根のホテルの窓から
クリスマスの蝋燭を灯す
芝生の絵を見ていると
そのそばで
レストランで会った子が
くるくる
回っている

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(庭の水盤(1997.12.30))次頁(火口(1997.12.16))

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