流れ星(1998.1.6)

流れ星(1998.1.6)


ちょうど午前4時に目覚め
窓辺で煙草を吸いながら
湖上の星を眺めていると
妻も起きてきた
「これくらいの光なら
星座がはっきりわかるね」
山のギザギザの上に星座は
半分隠れていて
惑星はいやに明るい
たいていの流れ星は
1ミリ程度の塵が
大気に突っ込むときの発光だという
中也の「月夜の浜辺」では
彼は疲れていない
ボタンのようなものを捨てられない
エネルギーは
疲れていない証拠だと
星座を見ながら
行を追ってみた
でも夜の光は
疲れても
なんだかしつこいものを湧かせるように
思える
か細くだけれど
煙草の先の光が灰皿の上で瞬いている
空の星と同じに

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(冬景の布置(1998.1.13))次頁(庭の水盤(1997.12.30))

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