瓶の底(1998.11.17)

瓶の底(1998.11.17)


破線のような形で
瓶の底から立ち昇るものがある
薮は死んだ
羽黒蜻蛉のひらひら伸びる航跡も

誰もいない
両側に木々がある道
瓶の底
微かに乾いた澱

ジャムの瓶
破線のように散るもの
沈んだ藪
雲が
瓶の上の
宙に
しんしんと

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(蓋がない(1998.11.24))次頁(傷(1998.11.10))

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