茶室(1999.12.14)

茶室(1999.12.14)


茶器の
冬もようは
荒くれる海で
その汀に

白足袋が歩く
枯れ草や渇く実が
床の間から
細い川のように
濡れ縁につづく

ほっかりと
チョコレート色に固まる

なんか
僕はミカン畑でしたことあるよ
リヤカーを引いたおじさんが
見て見ぬふりをしてくれた

青空に雲がうごくもと
きれいな乳房が
小さな山のように見える
性的なハイキング

なんでもないことだから
抹茶を
注ぐ

そんなこともあったな
冬の山水
すすっとにじり出る

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(葦を進む(1999.12.21))次頁(風のルビ(1999.12.7))

Shimirin's HomePageUrokocitySiteMap