つかの間の海(2000.11.14)

つかの間の海(2000.11.14)


海へ抜ける道をさがして
国道を渡り
松林のあいだのトンネルのような小道を
見つけると
すでに雑木に射す光は
海のもの

やっと海辺に出ると
好きな打ち上げ物はなく
ペットボトルや
合成樹脂の切れ端
藻はなぜかない

戻る道の八百屋さんで
渋抜きの柿を買いこみ
一三〇円の花も

またいつか
船で南下したいな

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(C棟3号(2000.11.21))次頁(栞となる鳥(2000.11.7))

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