蓴菜(2000.12.5)

蓴菜(2000.12.5)


ぬるぬるした葉
茎もゼリーに覆われている
味はないけれど爽やかな水に浮かんだ蓴菜を
食べる

沼地
ナイフ形のすばやい魚がいる水の表に
蓴菜は浮かんでいるのだろう

菱は山の池で泳いだときに
手に絡んで除けつつ
向こう側へ進んだ

浮き草は粉のような花をつけて
ひたすらゆらゆらしている

畳目の
微細なホコリの通り道

清水鱗造 週刊詩 目次前頁(黄色いまだら(2001.2.13))次頁(水音(2000.11.28))

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