UNDERGROUND RESIDENTS
Nonsense Poems in Alice
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ALICE IN WONDERLAND
Director : Arthur Rankin Jr., Jules Bass
アーサー・ランキン・ジュニア, ジュールズ・バス共同監督『不思議の国のアリス』
 
アーサー・ランキン・ジュニアとジュールズ・バスの共同監督によるアニメーション『不思議の国のアリス(原題:アリス・イン・ワンダーランド)』。キャロルの原作をベースにしてはいるものの、かなり掻い摘んで作られています。やはり22分という短い時間では限界がありますね。アリスの物語を要約したというのならそれは納得だけれど、話の筋が大きくずれている点には違和感を覚えます。
アリスは最初から最後まで元の家へ帰るためだけに不思議の国を彷徨っています。身体が大きくなったり小さくなったりしますが、そこにもどかしさはなく、なんとも要領よくスムーズに事が運んでいきます。
シーンを削るのは仕方ないとしても、モック・タートルを登場させておいてグリフォンの存在を省略するとは。ティーパーティ中のキチガイ帽子屋、三月うさぎ、眠りネズミがアリスの道案内をして筏に乗ったり崖から落ちたり、ってこんなシーンを追加しているのに、だ。この際もう、アリスが三つ編み少女でも気にしないよ。あぁ…。
ところがラスト、お姉さんにも「不思議の国」がふと見えたり、という外されがちなシーンを生かしている部分は好感触!

アーサーとジュールズは1961年にRankin/Bass productionとして始動していますが、その6年前にすでに共同製作を開始。『Rudolph The Red-Nosed Reindeer』『The Hobbit』『The King and I』など、現在までたくさんのアニメーションを生み出しています。
彼らは人形アニメーションも手がけているので、このアリスで少々不満が残ったわたしはそっちの方を観てみたいです。日本版はあまりないようですが、輸入盤ならamazon.co.jpで入手できるしなかなか評価が高いようなので他の作品でアリスの不満を解消させたい。それに、TVシリーズのアニメ『ホビット』はトールキンの原作に忠実だというし。うーむ、アリスだけが例外なの?

この日本版ビデオは「こども童話館」シリーズとして出されていたようで、他にも『トム・ソーヤーの冒険』『長ぐつをはいた猫』などがあります。このシリーズは「こどもがはじめて体験をする文学への第一歩」とうたっているのですが、アリスに関して言えばかえって誤解を招きそう。原作を読んだうえで、何歩か進んでから手にとれば、これはこれで楽しめるかもしれないです。
2002.03.28 
  DVD VHS
発売元 未発売 出版サービスセンター
販売元   ケイネットワーク
品 番   KN-004
FILM 1972年 22分 アメリカ
監 督 Arthur Rankin Jr. / Jules Bass
音 楽 Maury Laws
アニメーション Mushi Studios
キャラクター・
デザイン
Raul Coker Jr.
声の出演 Carl Banas, Donna Miller, Len Birman
ALICE IN WONDERLAND
Photo:国内版VHS
 
 
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