UNDERGROUND RESIDENTS
Nonsense Poems in Alice
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BILL OSCO'S ALICE IN WONDERLAND
Director : Bud Townsend / Alice : Kristine DeBell
バド・タウンゼンド監督『エッチの国のアリス』/ アリス:クリスティン・ドベル
 
『不思議の国のアリス』をベースにした、アダルト版パロディ・ミュージカル『エッチの国のアリス』(原題『ビル・オスコのアリス・イン・ワンダーランド』)。モンドでカルトなエロチックSF映画『フレッシュ・ゴードン』の製作ビル・オスコ、主役ジェイソン・ウィリアムスなどが関わっています。『フレッシュ・ゴードン』は1930年代のアメコミSFヒーローを映画化した『フラッシュ・ゴードン』(「フラッシュ!アァ〜」by クイーンで知ってる人も多いでしょう)のパロディ映画です。しょーもないけどおもしろい、らしい。『エッチの国のアリス』もタイトルからしてしょーもなさそうなうえ、ポルノ仕立てのミュージカル?バカそーっ、と思ったのですが、製作とアリスの名につられての購入です。

思った通り底抜けに明るくて脳天気なコメディ映画。アダルト界の大スター総登場とのことですが、アリス役のクリスティン・ドベルのあどけない顔立ちのせいか、エロエロしてなくてエッチという言葉が似合う作品。コメディとはいっても、ビデオ屋のカーテンの向こう側にある類の映画なのでコドモたちは観ちゃいけません(確認したわけじゃないけれど、たぶんそう)。

内容は邦題そのまんま、白うさぎの後を追ったアリスは不思議なエッチの国に迷い込んで…というもの。エッチの国の住人として、キチガイ帽子屋やハンプティ・ダンプティなどおなじみのキャラクターも出てきますが、もちろんすべて下ネタに脚色されています。ハンプティが“Down”したのは塀でもあり男でもあるとか、各章の題のつけ方なんかも下品なんだけどなかなかシャレが利いていて、うまい! 言葉遊びもおもしろいけれど、笑ってしまったのはエッチ・シーンの編集。トゥイードルダムとトゥイードルディ(男女のカップル)の×××シーンと、それを見守るアリスの画面いっぱいの笑顔(!)が交互に切り替えられ、そのうちだんだんダブッてきてアリスの顔にまでモザイクが(笑)。延々ソフト・フォーカスかかってたり。狙ってるなー。女王の庭で繰り広げられるパーティもエッチなはずなんだけれど、あまりの馬鹿馬鹿しさにかえって爽やかでさえあります。

エッチでナンセンスなドタバタ・コメディとして見るとき、なんかしっくりこないのがアリス成長物語的な結末。どうせなら翻弄されているアリスを笑うだけ笑ってハイお終い、でよかったんじゃないですか。くだらなすぎてスカッとするくらいがちょうどいいような。でも、まあ、ストーリーはともかくおバカ映画が好きな人なら、お色気もアリなこの作品はお得といえるかもしれません。
2002.03.05 
  DVD VHS
発売元 未発売 東北新社
販売元   東映
品 番   TS-F758
発売日   1981
FILM 1976年 76分 アメリカ
監 督 バド・タウンゼンド
製 作 ウィリアム・オスコ
音 楽 バッキー・サールズ
出 演 クリスティン・ドベル / ラリー・ゲルマン / ジョン・ローレンス / アラン・ノヴァク / ジェイソン・ウィリアムス
BILL OSCO'S ALICE IN WONDERLAND
Photo:国内版VHS
 
 
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