ふしぎの国のアリス
Director : Taku Sugiyama / Alice : TARAKO
杉山卓監督『ふしぎの国のアリス』(日本アニメーション) / アリスの声優:TARAKO
「世界名作劇場」でおなじみの日本アニメーションが手がけた『ふしぎの国のアリス』。1983年10月3日〜1984年3月26日の期間、各30分26話、テレビ大阪系で放映されました。ビデオには、放送分から6話がセレクトされ各2話ずつ収録されています。
わたしはこのビデオ1〜3巻と総集編しか見ていないので断言できませんが、基本的には一話ごと、現実の世界から不思議の国に迷い込みまた現実の世界に戻ってくる、というパターン。内容は、不思議の国と鏡の国のエピソードをテキトーに織り交ぜています。
主人公は、アリス(TARAKO)とペットのうさぎのベニー(野沢雅子)。ベニーは現実世界でもしゃべることができますが、それはアリスとベニーだけの秘密になっています。他の登場人物には、現実の世界でのレギュラーにアリスの両親と姉のセリア。アリスの物語に、母親はともかく父親が登場するとは! セリアは名前から察するとおりアリスと対照的で、アリスが空想家なのに対しセリアは現実家です。あとは各回ごとにいろいろなキャラクターが出演します。
■ラビット・ホール/涙の海のアリス
『ラビット・ホール』
アリスとベニーは、ベニーのおじさんである白うさぎを追いかけてうさぎ穴に落ちて…。
この回がTVシリーズ第一回放送分だと思いますが、白うさぎを追いかけるときのアリスのセリフ「きっとまたあのうさぎ穴に
行くんだわ」から、穴の存在はもともと知っているととれます。
『涙の海のアリス』
おじさん白うさぎのせいで池に落ちるアリス。岸に上がったと思えばそこはシマシマの島でした。
涙の海というタイトルはいいかもしれない。しょっぱいもんね。
■カラスの海賊/キャタピラの忠告
『カラスの海賊』
名なしの森をうまいことつかって荒稼ぎするカラスの海賊たちにアリスとベニーが立ち向かいます。
そして、トランプの女王とチェスの女王が同じ回に登場! 夢の競演?(笑)。
『キャタピラの忠告』
小さくなったアリスは虫の気持ちを知ります。虫さんたちをむやみに嫌わないでね、といったところ。
■ライオン vs ユニコーン/おかしなティーパーティー
『ライオン vs ユニコーン』
弱気なライオンと強気なユニコーンの闘い。かなりドタバタになってきましたー。
『おかしなティーパーティー』
おかしなティーパーティに参加したアリスはワンダーランド中の時が止まったことを知り、帽子屋たちとともに時の翁に会いに
行き…。ジャバウォッキーが犯人って!
原作好きで歳もとっちゃってるわたしは各エピソードのかなり大袈裟な装飾に耐えられず居眠りもしましたが、意外とアリス成長物語的な要素ばかりじゃないなーとその点気に入りました。
総集編を見る限り、このシリーズは不思議の国の人気者コンテストという話で完結します。弱気なハートのジャックに自信を取り戻させる話かと思いきや、結局わがまま息子の烙印を押されっぱなしのままであり、あまりに馬鹿馬鹿しいコンテストにうんざりして元の世界に戻るアリス、という何の感慨もないまま終了。一応ナレーションでひっぱるけれど、アリスが無表情のままラストを迎えるあたりはなかなか好きなつくりです。
子供向けのアニメーションなので、やはり大人にはちょっと退屈かな。「アリス」はもともと子供のために書かれていながら大人も十分楽しめる物語だけれど、TVアニメーションになるとそーいうのはムズカシイんでしょうかねぇ。
2002.03.30
DVD
VHS
発売元
未発売
パイオニアLDC
販売元
松竹 ビデオ事業部
品 番
PIVS-5181〜5183
FILM
1983年10月〜1984年3月 日本
テレビ大阪系放映 各30分 26話
監 督
杉山卓
製 作
本橋浩一
脚 本
高橋二三
音 楽
小六禮次郎
キャラデザイン
熊田勇
声の出演
TARAKO / 野沢雅子 / 緒方賢一 / 上村典子 / 水倉久美子
Photo:国内版VHS