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Review: 手塚 愛子 『薄い膜、地下の森』
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2007/01/15
手塚 愛子 『薄い膜、地下の森』
スパイラルガーデン
2007/01/05-2007/01/18 (無休), 11:00-20:00

織物をほどく作品を1年ほど前に INAX ギャラリーで観たことがあるが、 そのときは強い印象は残っていなかった。 今回もその手の作品を展示していたが、空間の大きさに負けていたように感じた。

今回の展覧会の見所は、広く天井の高い空間を生かしての巨大な刺繍のインスタレーションだ。 直径7mの巨大な刺繍枠を高さ2mに水平に吊るし、 張った白い布の上面に刺繍糸というか太い毛糸らしき糸で刺繍を施すという力業。 しかし、面白いのは床まで長く糸が垂れた下側だ。 赤っぽい色の糸をかきわけて中に入ると、糸に視界が遮られ、不思議な感じがする。 刺繍パターンもあって糸の密度は一様ではなく、 コクーンのような少し開けた空間があったりする。 それが面白かった。子供を遊ばせると大喜びしそうだ。 10年前に Comme des Garçons 青山店で体験した Jesús Rafael Soto のビニールチューブを沢山ぶらさげた作品みたい、とも思ったりもした。

[sources]