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Review: Les Objets Volants, Cercles, Transparences et Tournemains & Contrepoint
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2007/01/21
BankART Studio NYK, 馬車道
2007/01/20, 18:00-19:30
Cercles
Juggling, Manipulation, Soundtrack: Denis Paumier.
Transparences et Tournemains
Juggling, Manipulation, Soundtrack: Denis Paumier; Light design: Hervé Lonchamp.
Contrepoint
Juggling, Video and Animations: Denis Paumier and Sylvain Garnavault; Soundtrack: Denis Paumier; Light Design: Hervé Lonchamp.

Les Objets Volants は1999年に創設されたフランス (France) の juggling の小カンパニーだ。 カンパニー創設者の1人 Paumier をフィーチャーしての短編3作からなる公演だった。 juggling と manipulation をメインに構成したパフォーマンスが楽しめた。

最も印象に残ったのは、ball juggling ももちろんしたが manipulation を多めに見せた Transparences et Tournemains。 四角いアクリルの透明な板の上でボールを転がらせながら板をひっくり返えしたり、 透明なアクリルの筒の中でボールを回しながら身体の回りを動かしたり。 透明な板や筒を使っていることもあってその存在感が薄く、 重力に反したような動きに見えるのが面白かった。 後半は、10cmくらいの棒をリングと取っ手のように曲げた創作オブジェ ("Tournemain" と Paumier が命名) を使ったパフォーマンス。 それで派手にトリッキーな juggling や manipulation を見せたわけではないが、 オブジェの形を生かしたユーモラスな動きを見せてくれた。

ball と ring の juggling をメインに見せた 最初の Cercles は、 宙に吊るした3重の ring の manipulation から始まったが、 その後にその ring を活用しなかったのが残念。 ラストの Contrepoint は Paumier と Garnavault の duo での ball juggling。 インターリュードで juggling するスケルトン人形の脱力CGアニメーションや、 たくさんのボールがブラウン運動するかのようなCGを、 インタリュードやB.G.V.のように上映していた。 最後は2人で 14 ball を決めたりと技は見せてくれたが、 映像とパフォーマンスがぶつぶつと併置されたような感もあって、 演出的には3つの演目の中では最もピンとこないものだった。

短編3作、それも solo か duo ということで、正直、 演出構成で観せるというより、技見せのような感じることの方が多かった。 それはそれで楽しめるものだったけれども。しかし、 Espresso のような、パフォーマーの数の多い1時間くらいの長さの作品を観てみたいようにも思う。

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