企画展示室全フロアを使い、大量の作品が展示されていたのに、 自分の問題意識と直交しているかのうような作品がほとんどなのか、 見終った印象は漠然としたもの。 規模を半分か三分の一くらいにして、 もっと方向性を明確にした方が良いようにも思った。
この展覧会の一番の期待は Ernesto Neto と Olafur Eliasson。 Ernesto Neto の Fitohumanoid (2007; Humanoid, 2001 の新版) は ミニマルでウェアラブルな Neto コクーンで、 質感や香りなどの彼の作品の面白さのエッセンスがミニマルに凝縮された感じが良い。 Olafur Eliasson の Quadruple Suncooker Lamp (2005) の日光調理器を反転して使い強い光を放射させた作品も印象に残った。
あと、吹抜けに浮かぶ巨大な4階建の建物大のアルミの構造体、 石上 純也 「四角いふうせん」 (2007) は、 いささか力業だとは思うが、重量感と浮遊感の矛盾した印象が面白かった。
しかし、このような面白く感じた作品と、 展覧会全体の中での位置付けがよくわからなかったのが残念だ。