インド (India) の現代美術を27作家100点以上という規模で紹介する展覧会だ。 こうしてまとめて観るのも初めてで期待した所もあったが、 意外と普通で、肩透かし感もあった。 それは、平面や立体としてコンセプチャルに表現された作品が中心で、 ほとんど観客はそれを観るだけという展示だったからかもしれない。 観客を能動的に動かして観賞させるようなインスタレーションや、 地域を巻き込んでのプロジェクト・ワークのようなものがほとんど無かった。 これが、インドの現代美術の特徴なのか、この展覧会のディレクションなのかは、判断しかねるが。
そんな中でも、少しは引っかかる作家はいた。それについて簡単なコメント。 Pushpamala N. は、自分が被写体となった人物を演じた 植民地時代の民族誌的な写真やよりポピュラーに撮られた絵葉書的な写真。 そこそこ面白いしやりたいことも判るのだが、 Cindy Sharman 以降多くの作家がやっているアプローチなので、 もう一捻り何が欲しいと感じてしまった。 N. S. Harsha は、ギャラリーの監視員の椅子へ 守ることに関するコンセプチャルなインスタレーション。 今回の展示では他の作品の中に埋没してしまっていた。 近代くらいまでの美術の展示の中でこのインスタレーションをやれば、 かなり違うニュアンスになったかもしれない。