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Review: 『横浜フランスビデオコレクション 2010 —— 他者の視点』 (Yokohama France Vidéo Collection 2010: Regard Étrange Étranger) @ 横浜赤レンガ倉庫1号館2Fスペース (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2010/06/13
Yokohama France Vidéo Collection 2010: Regard Étrange Étranger
横浜赤レンガ倉庫1号館2Fスペース
2010/06/11-2010/06/20, 11:00-19:00.

横浜フランス月間 2010 の一環で開催されているビデオアートの展覧会。 全体として興味深い方向性が感じられたというわけではないが、印象に残る作品はあった。 それらについて簡単に。

Laurent Pernot: “The Uncertainty Of Stars” (2007) は、紐暖簾状のスクリーンに Robert Longo のような宙を舞うような白色の人物像を投影するビデオインスタレーションだ。 透けるスクリーンに投影されることによる人物像の浮遊感も良かったのだが、 スクリーンを抜けた光が、さらに、壁に少々ぼやけ動く白い縦縞を作り出していた。 そして、スクリーンと壁の間に入って観ていると、自分のシルエットがそこにオーバーラップされる。 そんな所も面白かった。

Cendrillon Bélanger: “Vanités” (2009) は、白いバスタブに張られた水の中でうごめく女性を上から捉えたビデオ作品。 薄いピンクの服を着ていたり、赤い糸のみを身体にまとわらせたり、枯れ葉を混ぜ込んだり。 クローズアップを多用し、人肌と水、そして揺れ動く布、糸や枯葉からなる 少々エロティックな質感を映像化したような作品だった。