文化庁芸術家在外研修の成果報告展です。 研修に行っていた時期もばらばらで時代性方向性等を全く感じられない展覧会ですが、 ショーケースとして興味深い作家に出会えれば、というくらいの気分で観てきました。
最も気に入ったのは、遠山 香苗 の絵画。 大きな筆 (というか刷毛) でアクリル絵具の明るい色の点状のストロークをぽんぽんと 白い大きなキャンパスに置いたような抽象画です。 点に添えられた黒いオイルコンテでさっと引かれた弧もあって、まるで、ダンスの足形図のよう。 リズミカルに筆が踊る様子が感じられるような、 シンプルな画面ながら身体性や動きが感じられたのが面白かったです。 同様の作品を小さく作った「小さな絵シリーズ」もあって、 抽象的ながらリズミカルなので、レコード・ジャケットに使うと良さそう、と思ったりもしました。
しかし、この展覧会の公式サイトが、アニュアルで12回も開催してきているにもかかわらず、 過去の展覧会も将来の展覧会も考慮していない一年で作り捨てするかのような作りになっています。 例えば、過去の展覧会のアーカイヴもありませんし、ドメイン名も今年度の展覧会にしか使えない domani2010.com となっています。 特に美術のような分野では、毎年の展覧会のサイトを記録としてアーカイヴしていくことも大切だと思うのだけに、残念です。