Al-Kasaba Theatre & Cinematheque は パレスチナ・ヨルダン西岸地区の中心都市ラマラ (Ramallah, West Bank, Palestine) に 1970年に設立された劇場・映画館だ。 Alive from Palestine: Stories under occupation は、 その劇場の劇団による2001年の舞台作品で、 東京国際芸術祭 (現在の FESTIVAL/TOKYO に相当) の中東シリーズの一つとして 世田谷パブリックシアター シアタートラムで上演している。 その時に見逃していたので、この再演を観に行った。 斬新な演出による凄い舞台を観たという程ではなかったけど、 不条理なユーモアがじわじわくる舞台が楽しめた。
舞台装置は、2m程の高さの丸めた新聞紙の山が舞台に4つに、 天井から吊るされた黒い人形の座った椅子だけ。 その中で、イスラエル占領下のパレスチナの日常の不条理をネタにした寸劇が繰り返されて行く。 大掛かりな舞台装置や映像等の効果も無く淡々と展開していくので、 正直、最初のうちはちょっと退屈したけれども、 その繰り返して行くうちに少しずつそのユーモアがツボにはまっていく感じだった。 イスラエルの検問所によって移動の自由が失われている状況をネタにしたものなど、 比較的ストレートなネタも良かったけれども、 ブリキ (難民キャンプの建物等に多用されている) にうんざりした男の話が最もツボにハマった。
最後の寸劇は、住民への銃撃の話だったのだが、新聞を丸めた山が崩され床に広げられた。 それによりまるで瓦礫が広がった様子のように舞台が変わった。 そこに死体のように俳優たちが横たわり照明が落とされた、そのイメージが強く印象に残った。