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Review: 『アンフォルメルとは何か? —— 20世紀フランス絵画の挑戦』 @ ブリジストン美術館 (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2011/06/19
『アンフォルメルとは何か? —— 20世紀フランス絵画の挑戦』
ブリジストン美術館
2011/04/29-2011/07/06 (月休; 5/2開). 10:00-18:00.

第二次大戦後のフランス・パリで興った抽象的な絵画の運動 L'Art Informel を紹介する展覧会。 関連する運動 (CoBrA やイタリアの Spatialism、アメリカの Abstract Expressionism、等) にも触れている。 Jean Dubuffet や Henri Michaux など今までにそれなりに観る機会もあったけれども、 Informel を中心にまとめて観ると、それなりに気付かされる所もあった。

Informel の先駆者として Jean Fautrier、Jean Dubuffet と一緒に取り上げられていた Wols (aka Wolfgang Schülze) は、この展覧会で初めて意識した。 その作風は暗い Paul Klee のようで、戦間期の Avant-Garde とも共通する所があったようにも思う。 そんなこともあってか、3人の中で最も気に入った。

こういう先駆者を中心とする50年代前半の作品の暗い不穏さに比べ、 1960年代以降の作品となると、さすがに、良かれ悪かれ洗練を感じた。 Pierre Soulage の太いストロークもリズミカルな作品や、 Zao Wou-Ki [赵无极/趙無極] の茶=緑や青=白といった対比的な色使いも奇麗な作品が、 その中でも印象に残ったけれども。

ちなみに、出展作品の多くは国内の美術館の所蔵作品。 これだけあるというのお、当時は日本で流行ったんだろうなあ、と、感慨深かった。