ex-イデビアン・クルー の 菅尾 なぎさ による2005年から活動する劇場以外での活動が多い 女性のみのダンス・カンパニー。 今まで観たことなかったのだけれども、 「遊覧型パフォーマンス」というのに惹かれて観てみることにした。
舞台と客席が全て取り払われたスペースにポップな箱庭のような空間が作り込まれ、 そこ作られた回遊式庭園の園路のような所を歩きながらパフォーマンスを鑑賞した。 ダンサーは、観客の合間を走り回り、観客と非常に接近した状態でダンスを踊るのだが、 客弄りをしたりして観客とやりとりをするようなことはほとんど無し。 無表情に視線を虚ろにして観客と視線を合わせることもないため、彼女達からは観客が見えていないよう。 間近でパフォーマンスをしていながら、生々しい存在感があまり感じられない、 まるで平行世界での出来事が浮き上がって見えているような印象を受けた。
そんなこともあって、特にはじめのうちは、 彼女たちのパフォーマンスはインスタレーションに溶け込んだ環境的なものに感じられた。 しかし、その途中、突然、アイドル歌謡のような音楽に変わり、 彼女たちを浮き上がらせる照明の下、アイドルの振りを解体再構築したかのような動きで踊ると、 環境的な存在から急にステージ上に浮かび上がる存在に変わるよう。 しかし、それも直ぐに終り、再び環境的な存在に戻っていく。 そんな、切り替えが興味深く感じたパフォーマンスだった。
その一方で、ダンス自体の印象が薄かったのは、 そもそも俎上に上げられていると思われるアイドル歌謡的なものに 接する機会がほとんど無いせいかもしれない。