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Review: 『ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト —— 写真、絵画、グラフィック・アート』 (Ben Shahn: Cross Media Artists / Photographs, Paintings and Graphic Arts) @ 神奈川県立近代美術館 葉山館 (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2012/01/15
Ben Shahn: Cross Media Artists / Photographs, Paintings and Graphic Arts
神奈川県立近代美術館 葉山館
2011/12/03-2012/01/29 (月休;1/9開;12/29-1/3休), 9:30-17:00.

現リトアニアのカウナス (Kaunas) 出身で、 1930s アメリカの Social-Realism (ソ連の社会主義リアリズム Socialist Realism ではない) の 文脈で知られる作家、Ben Shahn の展覧会。 確かに、労働組合組織 CIO (Congress of Industrial Organization; 産業別組合会議) の ポスターなどはリアリズム的かなと思ったけれども、 私的な主題に移り出したころからの表現は、 少々シュールさもある新即物主義 (Neuesachlichkeit) 〜マジックリアリズムから系譜とも言えそう。 観ていて最も気に入ったのは、そんな絵画でした。 あと、1930年代に撮影した FSA (Farm Security Administration; 米国農業安定局) のためにとった写真は、 当然ながら、Walker Evans とも共通するところを感じました。 といっても、1920年代〜1930年代初頭の Avant-Garde や Neuesachlichkeit と 入れ替わるようにして出てきてきた作家だけあって、 自分の好みからはやはり外れていると感じたのも確か。(それは仕方ないとも思いますが。)

ところで、この展覧会のポスターやフライヤなどでは、 絵画、写真、グラフィック・デザインに亘る「クロスメディア」で活動した作家、 ということを強調しているような印象を受けたのですが、 戦間期 Avant-Garde 以降、そういう活動をする作家はそんな珍しい/際立ったことでもないのに、 どうしてだろうと思っていました。 展覧会を観ていても、その点については腑に落ちませんでした。