TFJ's Sidewalk Cafe > Dustbin Of History >
Review: Le Carré Curieux: Le Carré Curieux (『Cirque Vivant! (シルク・ヴィヴァン!)』) @ あうるすぽっと (サーカス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2012/02/04
あうるすぽっと
2012/2/4, 15:00-16:30.
Mise en scène: Philippe Vande Weghe.
Création de et avec Luca Aeschlimann, Kenzo Tokuoka, Gert De Cooman et Vladimir Couprie.

Le Carré Curieux は2006年に活動をはじめたベルギー・ブリュッセル (Bruxelles, BE) を拠点とする コンテンポラリー・サーカスの男性4人組カンパニー。そのデビュー作の日本公演だ。 大仕掛けや派手な大技で見せるような作品ではないし、 演劇的というほど物語があったわけではないが、 ちょっと優しく可愛らしくもある世界を感じるサーカスが楽しめた。

正直、はじめのうちは少し眠くなったが、中盤頃から舞台に引き込まれた。 特に良かったのは、フライヤにも使われていた Chinese pole のパフォーマンス。 固定して高さを稼ぐのではなく、 身長の倍くらいの高さながらパフォーマーがそのポールを動かし支えて使うことにより、 横方向と縦方向の動きのバランスが良くなって、舞台が広く感じられる動きとなっていた。 棒を横にしてバランスを取ったり、立てたり倒したり転がしたりしてユーモラスなやりとりをしたり。 直系30cm程度の重い円盤ががポールの一端に付けられているのだが、それで立ててもポールはかなり不安定。 この作品で最も良かったのは、そんな不安定なポールを使い、他の支えをほとんど使わず Kenzo と Gert の2人がバランスを取るように Chinese pole を演じた所だった。

エンディングの Kenzo の一輪車も、 その足元をクリノリンのようなもので隠して演じることにより、 一輪車芸というよりもダンス的な動きが強調されていた。 また残りの3人も (おそらくこちらは一輪車ではなく台車だと思うが) 同様に足元を隠して一緒に滑らかに踊った。 水平方向に不自然に滑らかに速くうごくダンスのようで、その動きが面白かった。 さらに、その動きの面白さを見せるだけでなく、それぞれの台車の高さを凸凹にして見た目や動きをユーモラスにしていた。 そんな所もツボにはまった舞台だった。