Le Carré Curieux は2006年に活動をはじめたベルギー・ブリュッセル (Bruxelles, BE) を拠点とする コンテンポラリー・サーカスの男性4人組カンパニー。そのデビュー作の日本公演だ。 大仕掛けや派手な大技で見せるような作品ではないし、 演劇的というほど物語があったわけではないが、 ちょっと優しく可愛らしくもある世界を感じるサーカスが楽しめた。
正直、はじめのうちは少し眠くなったが、中盤頃から舞台に引き込まれた。 特に良かったのは、フライヤにも使われていた Chinese pole のパフォーマンス。 固定して高さを稼ぐのではなく、 身長の倍くらいの高さながらパフォーマーがそのポールを動かし支えて使うことにより、 横方向と縦方向の動きのバランスが良くなって、舞台が広く感じられる動きとなっていた。 棒を横にしてバランスを取ったり、立てたり倒したり転がしたりしてユーモラスなやりとりをしたり。 直系30cm程度の重い円盤ががポールの一端に付けられているのだが、それで立ててもポールはかなり不安定。 この作品で最も良かったのは、そんな不安定なポールを使い、他の支えをほとんど使わず Kenzo と Gert の2人がバランスを取るように Chinese pole を演じた所だった。
エンディングの Kenzo の一輪車も、 その足元をクリノリンのようなもので隠して演じることにより、 一輪車芸というよりもダンス的な動きが強調されていた。 また残りの3人も (おそらくこちらは一輪車ではなく台車だと思うが) 同様に足元を隠して一緒に滑らかに踊った。 水平方向に不自然に滑らかに速くうごくダンスのようで、その動きが面白かった。 さらに、その動きの面白さを見せるだけでなく、それぞれの台車の高さを凸凹にして見た目や動きをユーモラスにしていた。 そんな所もツボにはまった舞台だった。