1990年代から作品を発表しているオランダの写真家の展覧会。 といっても、作品を観るのは今回が初めてで、どんな作品を作ってきているのかは よく判らないのですが。この展覧会はさりげないユーモアがツボにハマりました。
女性を撮った写真と動物 (犬が多いけれども、兎や鶏もいた) を撮った写真を並べ置く展示で、 それも、女性の写真よりも動物の写真の方が一回り大きくプリントされています。 最初はペットとその飼い主の関係を使ったコンセプチャルな写真家なんだろうかと思ったのですが、 女性はモデルのようで髪型等に違いはあれど、同じ女性が複数の写真に写っています。 自然光のみで撮ったらしく画面は若干暗めで、女性の背景の林や古い建物の雰囲気もあって、 ゴス風味の演出写真とも。
ペットと飼い主の関係かと思ったのはそこはかとなく雰囲気が似ているから。 何がそうさせているのだろうと見ているうちに、 黒い犬の鼻先から腹にかけての白いブチと、 隣の女性の写真で顔から胸にかけて陽が当たって明るくなっている様子が似ているな、と。 物まねに使われるような特徴を捉えて、もしくは、風刺的な類似ではなく、 もっと形式的な類似を使うユーモアのセンスがダジャレっぽくて面白いなあ、と。 一見そうとは見えないゴス風味の写真にさりげないユーモアが忍ばせてあるようで、 そのギャップが楽しめました。