2001年から Dumb Type のメンバーとして活動する 平井、 1987年から Dumb Type の照明/テクニカル・マネジメントを担当する 藤井、 violin 奏者の 辺見 の3人のコラボレーションによる、約30分の小品。 Elisabeth Kübler-Ross による死の受容の5段階 (否認・怒り・取引・抑鬱・受容) を題材としているということで、 感情を表出するようなダンスになるだろうかと予想したのだが、 むしろ、ダンサーを下から浮かび上がらせるLED照明の色合いもクールに、形式的な型に落し込むようなダンスだった。
A4判くらいの大きさのLED照明パネル15ユニットを床に並べ、それを並べ替えつつ、踊るというもの。 そんな照明と身体の位置関係、照明の色合いや光量で、5段階を表現しているかのよう。 劇的に5段階が変化していくというわけでなく、全体として静かに死に向かい合っているかのような、 静かな緊張感のある舞台だった。 ダンスと照明とのインタラクションを強く感じるものではなかったが、 コンピュータ制御で照明を移動させるのではなく、 ダンサー (時には violin 奏者が) 自ら照明ユニットを手に取って持ち運び並べ変えていた。 ローテクだが軽量で扱いが容易なLED照明ならではとも思うし、 バッテリーと無線制御を使ってケーブルレスにすると、もっと面白い演出も出来そうだとも思った。
ちなみに、この公演は、 Studio Azzurro: Kataribe の展覧会関連イベントとして行われました。