森美術館の若手アーティスト支援プロジェクト MAM Project による展覧会第17回は、韓国出身の Lee Changwon。 作品を観るのは、おそらく、この展覧会が初めて。
明かりを落したギャラリーの壁には逆影絵というか、 手や動物などを象った白い光りが少々歪んだ形で壁に投影されている。 そのモノトーンな様子は、落ち着いた美しさも感じる程だ。 どのように投影しているのだろうと、近付いて見ると、 雑誌や新聞の切り抜きの中から写真の人物像や動物像などを切り抜き鏡で裏打ちしたものを台の上に並べ、 そこに小型デスクランプの白色光を当てているという。 その新聞や雑誌の記事の猥雑な現実感と、抽象的でモノトーンに落ち着いたギャラリーの様子 —— この2つがタイトルの並行世界なのだろう —— が、 強いコントラストを成していた。 そして、そのギャップが面白かった。