1980年代に京都で活動を始めた Dumb Type で中心的な一人であった 高谷 史郎 の演出作品。 Dumb Type Office の制作で、関わっているのも関係者が多く、Dumb Type 色濃い作品だった。 Roland Barthes の写真論からタイトルを撮っているが、 そんな主題も上滑りするようなスタイリッシュな舞台。 映像の使い方はあまりピンとこなったし、いささか空虚に感じたのも確か。
しかし、様々に並べ替えられて使われるフロアスタンドライトや、 薄暗い照明のノイズの下で身体を触れ合わせないように組んで踊る男女の醸し出す孤独感など、 こういう表現はやはり好きだなあ、と。 2000年に同劇場で Dumb Type 『Memorandum』 を観たときは、 スタイルの割に過ぎて身体が付いていっていない感もダメに感じてしまったのだが、 それから十余年経って一回りして、 もっと若い世代やっている緩いダンス・演劇よりは形式美へのこだわりがあって良いかもしれない。 このまま1980s-90s的なスタイリッシュさを動態保存して欲しいようにも思った。