Les 7 doigts de la main [7 Fingers] は2002年に カナダ・ケベック州モントリオール (Montreal, Québec, CA) で結成されたサーカス・カンパニー。 オリジナル・メンバーの女性4人男性3人のサーカス・アーティストは Cirque du Soleil に出演経験もある。 Loft はこのカンパニーの第1作目で、 今回の来日公演でも Sébastien Soldevila と Samuel Tétreault の2人の創設メンバーが出演している。
サーカス・アーティストたちの住むロフトを訪問して、 その生活感の残る空間で彼らのショーを楽しむ、というコンセプトのショー。 リンゴを通しての繋ぎとなる物として使っていたが、特にストーリーがあるという程ではなく、 その枠組みを使って、ソロやデュオのショーを繋いでいくという感じだろうか。 開演前に、舞台上に作られた住居内のような空間の冷蔵庫の扉から入場し、 終演後は舞台上でアップルパイを振舞うなど、ショーの前後の雰囲気作りは工夫されていた。
創設メンバーのスキルのバックグラウンドからか、アクロバットとエアリアルが演技の核。 女性3人のエアリアルはさすがに華があったけれども、アクロバットはやはり地味かな、と。 ディアボロやナイフを持ってのダンスもあったが、大技を見せるという程でも無かったように思う。 男性2人 Mick Holsbeke と Sébastien Soldevila が道化的な役割も担っていて、 笑わせるような場面も少なくなかった。 音楽にライヴのDJを使っていたのは良かった、ハンディカメラも使った映像はそれほど効果的には感じられなかった。
というわけで、バラエティショー的にそれなりに楽しんで観たけれども、 全体を通してコンセプト的に強いものが無かったせいか散漫に感じられ、 途中で時々退屈を感じることもあった。