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Review: 『ミニマル/ポストミニマル——1970年代以降の絵画と彫刻』 @ 宇都宮美術館 (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2013/03/22
『ミニマル/ポストミニマル——1970年代以降の絵画と彫刻』
宇都宮美術館
2013/02/24-04/07 (2/25,3/4,3/11,3/18,3/21,3/25,4/1休)

ミニマリズムを鍵に1970年代以降の日本の現代美術を辿る展覧会。 1970年代の「もの派」を意識した内容だったが、 「もの派」そのものではなく、それ以降の表現の展開を辿る展覧会。 選ばれた作品はいわゆる絵画と彫刻という表現形式によるもので、 平面作品の選択など、企画意図にはあまりピンとくるところは無かった。

しかし、戸谷 成雄 や 遠藤 利克 など、立体作品はさすがの見応え。 以前にも観たことのある作品だが 戸谷 成雄 のチェンソー彫刻の粗い表面も良いのだけれど、 巨大な木の樽を燃やして炭化させた 『空洞説』 (2010) の黒光りする炭の表面、そしてタール臭の存在感は強烈。 この樽を燃やした際の写真も展示されていたが、その場で観ていたらかなりの迫力だったろうな、と。

展覧会の作家選定に依るのかもしれないが、ミニマリズムやそれを意識したそれ以降の表現では、 やはり素材が際立つ立体作品の方が面白いのかもしれない、と思った展覧会だった。