貧しい水車小屋の娘が、狩をしていた伯爵嗣子カップルと偶然出会い、気に入られて女中奉公にあがるが、 彼女に片思いしていた乗合の御者を父親が揉み合いの末に誤って殺めてしまう、という話。 新派映画を観たのは初めてでしたが、ヒロインが女優 (水谷 八重子) だったせいか、 思っていたより女形を使った映画という気がしませんでした。 しかし、後半の泣かせる場面などは、これが新派悲劇か、と。 といっても、松竹メロドラマでもこういう泣かせる見せ場を作るように思いますし、あまり距離は無かったのかもしれません。
水谷 八重子 は、女中奉公に上がる農家の娘の役。 まだ新派女優として活躍する前の映画デビュー作で、まだ女学生で名前が出せず「覆面令嬢」とクレジットされています。 若いからでしょうか、役もあるかもしれませんが、写真で見るよりぽっちゃりかわいいタイプに見えました。