TFJ's Sidewalk Cafe > Dustbin Of History >
Review: Jean-Baptiste André: Intérieur Nuit @ あうるすぽっと (サーカス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2014/11/30
Jean-Baptiste André
あうるすぽっと
2014/11/29, 14:00-15:00.
Conception, mise en scène et interprétation: Jean-Baptiste André.
Création musicale: Christophe Sechet; Création lumière décor: Jacques Bertrand.
Créé en 2004.
Coproductions: association W / Centre National des Arts du Cirque - Châlons-en-Champagne

2002年に Centre National des Arts du Cirque を卒業後、 自身のプロジェクト association W で活動するサーカス・パフォーマー Jean-Baptiste André の初めて作ったソロ作品。 文脈的にはいわゆる現代サーカスですが、判りやすいストーリーや笑いを取るような所はほとんど無し。 がらんとした夜の部屋の孤独の心象を、André のバックグラウンドでもある体操 (artistic gymnastics) の動きで表したかのような一時間だった。

舞台は後方と舞台上手に板張りの壁が立ててあるだけ。 上手の壁の上に二つの50cm四方ほどの方形の穴が、下に光源の仕込まれた穴がある程度で、 特に塗装もされず平に木地が剥き出しになっただけというもの。 薄暗い中、前半の何重にも重ね着した服を脱ぎ捨てていき壁にかけたり壁に上ったりという所は、正直、退屈した。

しかし、上手の壁を背景に床を壁に奥の壁を床に見立ててのパフォーマンスから、 90度倒したハンディビデオカメラでそれを撮影してライブで奥の壁に壁が床かのように投影したこともあって、 ぐっと引きつけられた。 軽々と片手のみで全身を支えるなど、さすがの身体能力。 それ以降は、ビデオカメラの映像をそのまま投影しつつののパフォーマンス。 その後、床体操的な動きで踊ってみせ、最後はビデオカメラの前で大写しした手足のダンス。 だんだん面白くなってきたかな、という所で終わってしまった。