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Review: 大友 良英 『音楽と美術の間』 [OTOMO Yoshihide: Between Music and Art] @ NTTインターコミュニケーションセンター (美術展); Zaha Hadid @ 東京オペラシティ アートギャラリー (建築展); 『project N 58: 高畠 依子』 @ 東京オペラシティ アートギャラリー (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2014/12/21
NTTインターコミュニケーションセンター
2014/11/22-2015/2/22 (月休;月祝開翌火休;12/29-1/5休;2/8休), 11:00-18:00.

“quartet” は2008年に 山口情報芸術センター (YCAM) で制作した作品だが、今回が初見。 中央に立てられた立方体状のスクリーンには、楽器を演奏するミュージシャンの映像を白地に黒のシルエットで投影。 ギャラリーの4方の壁に、ミュージシャンの出す音に反応する抽象的な白黒映像を投影していた。 音数少なく音量も抑え気味な音に、端も暗くぼやけるような暗めのシルエット映像や、 壁の黒字に控えめに描かれる動くパターンが合っていた。 ポータブルレコーダーを使った雑然とノイジーなインスタレーションなどの印象が強かっただけに、 スッキリしたインスタレーションは意外だった。しかし、それが良かった。

最初に入ったときは、trumpet, voice, electronics, bowed cymbal という編成だったが、 途中で bowed cymbal が 笙 に、trumpet が drums に、voice が electronics へ入れ替わった。 electronics の面から人影が消えて次が現れないと思ったら、笙 の面に harmonica も投影されていた、ということもあった。 長く観ていれば、もっと多様な組み合わせが観られるのかもしれない。

ICC (インターコミュニケーションセンター) の受付から上のフロアに上がる階段に仕掛けられたインスタレーション新作 “guitar solo 1” は、 微かでするどい electric guitar 音の断片が階段両側から聴こえてくるもの。 通過している人に反応しているのかどうか、よくわからなかった。

東京オペラシティ アートギャラリー
2014/10/18-2014/12/23 (月休;月祝開翌火休;12/22開), 11:00-19:00 (金土).

イラク出身でロンドンを拠点に活動する Rem Koolhaas の OMA (Office of Metropolitan Architecture) 出身の建築家 Zaha Hadid の展覧会。 設計が実際に建てられることが長らく無かったため “queen of the unbuilt” で知られていたというが、 今では、日本の「新国立競技場」国際デザイン・コンクールで最優秀賞に選出されたことで知られるだろう。 展示にはほとんどテキストがなく、映像イメージや模型が中心の展示。 目的やその土地の文脈から何らかのロジックに基づいて形態を組み上げて行く/脱構築していくというより、 直感的に湧き上がる空想的なイメージをITに支援され進歩した設計や施工で実現していくかのような、 ハイテクで帰ってきたポストモダンな建築展だった。

東京オペラシティ アートギャラリー
2014/10/18-2014/12/23 (月休;月祝開翌火休;12/22開), 11:00-19:00 (金土).

育成・支援を目的に若手の平面作家を紹介する展覧会シリーズ。 今回の作品は、油彩ながら、ストロークではなくチューブの口で直接描いたかのような線で 織物のようなパターンを描いていく作品。 大きく拡大した厚手の記事のテキスタイルデザインを見るようでもあったが、 方形のパターンからのズレや、崩れた箇所も加わると、ぐっと絵画的に。

この project N と LIXILギャラリーの現代美術ギャラリーは、 構成的な抽象性も持ち合わせた良質な平面作品をよく取り上げてくれるので、楽しみにしています。