20世紀前半に活動したスペイン・カタルーニャ州バルセロナ出身の彫刻家 Julio González の回顧展。 といっても、当時から有名だったというわけではなく、金工で生計を立てていたといいます。 自分もこの展覧会で知りました。 戦間期のパリで同郷の Pablo Picasso と交流があり、金属の溶接技術を教えたりしたとのこと。 その影響もあって、作風も Cubism などのモダニズムの影響を強く感じるものでした。
バルセロナ時代の Art Nouveau 期を思わせる精巧な花の金工細工や、 戦間期の Art Deco な装飾具も導入部で展示されていましたが、 メインは、ブロンズや鉄の彫刻。 マッシブな塊の作品もありましたが、 棒や糸を折り曲げで組み合わせたコンポジションとでもいう作品が、やはり良かったです。 特に、板に切れ目を入れてイメージを浮かび上がらせたり、顔や足の形をシンプルに浮かび上がらせたりした作品が気にいりました。 「空間の中のドローイング」と呼ばれるのも納得。 凄いというほどでは無いけれども、20世紀前半のモダニズムの雰囲気は十分に楽しめました。