TFJ's Sidewalk Cafe > Dustbin Of History >
Review: CirkVOST: Epicycle en extérieur @ 新豊洲特設会場 (サーカス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2016/10/16
シルク・ヴォスト 『エピシクル』
新豊洲特設会場
2016/10/14, 19:30-20:40.
Conception et Réalisation Structure: Patrick Clody - Side Up Concept; Mise en scène: CirkVOST et John Paul Zaccarini; Œil extérieur: Pierre Pilattel; Création musicale: Antonin Chaplain et Nicolas Forge; Création lumière: Wilfried Schick; Costumes: Solenne Capmas.
Trapézistes: Benoît Belleville, Arnaud Cabochette, Melissa Colello, Jean Pellegrini, Sara Sandqvist, Cécile Yvinec, Elie Rauzier, Sébastien Bruas, Stéphane Bourdeau; Riggers en scène: Yvan Bringard, Remy Legeay Musiciens: Nicolas Forge.
Creé: 2010.

CirkVOST は南仏オクシタニアのアレス (Alès) 近郊 La Grand Combe を拠点に活動する空中ブランコを得意技とするサーカス・カンパニー。 結成は2007年、その前身となるカンパニー Les Arts Sauts を含めると1993年から活動しているが、もちろん観るのは初めて。 テント公演が通常の上演形態のようだが、今回は埋立地の広い空地を使っての野外公演 直径20m、幅5mはあろう大きな円形の足場を立てて、その両側に客席を並べていた。 地上の舞台はなく、足場の上にもフラットな舞台状のスペースは無い。 パフォーマンスはその円形の足場の上と、円の中の空間を使い、ひたすら空中芸のパフォーマンスを1時間余り繰り広げていた。 空中芸といっても布 (tissue) の類は無し。ロープ (rope) は使ったが、メインは空中ブランコ (trapéz)。 それもブランコの上で静かに踊るタイプのものではなく、 ブランコを大きく振ってのアクロバットで、ハンドトゥハンドで飛び移ったりもする、ダイナミックなものだ。 そのパフォーマンスも迫力があったが、伝統的なブランコの形状のものは使わずにプランコで使う技を使って円形の足場の内側をパフォーマーが飛び交うようなパフォーマンスも楽しめた。

円形の足場は赤錆色の鉄パイプ製で、そのデザインとパフォーマーの衣装は、steampunk な bande dessinée 風。 音楽は生演奏だったが、繊細な electronica ではなく、musical saw や guitar などの上物も使いつつ、dubstep 風の低音が効いたサウンド。 そんな美術・衣装や音楽で世界観に統一感を出していたし、 途中で円形の足場の内側に足場となるフレームをワイヤで空中に固定したりと舞台装置にも変化を付けるなど工夫していた。 しかし、観ていて次はどうなるんだろうという展開が感じられなく、個々の技がぶつぶつに続いていたような印象。 1時間余りひたすら空中芸というのも凄いし、ビジュアルも音楽も好みだったのだが、展開が単調だったのが惜しい。

今回はVIP席ということで円形の足場の間近でリクライニングシートに横になって見上げるように観ていた。 ほとんど真下から空中を人が飛び交う様は迫力満点だが、全体としての人の配置、構成が分かりづらかったのも確か。 円形の足場を横に見る引いた位置から観た方が、展開が楽しめたかもしれない。 もしくは、音響や照明の効果が高いテント公演バージョンであれば、展開がもっと丁寧に描かれていたのかもしれない。 そんなことも思った公演だった。