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Review: Claire Cunningham: Give Me a Reason to Live @ KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ (ダンス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2017/02/05
KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
2017/02/04, 18:00-18:45.
Choreographed and Performed by Claire Cunningham. Lighting Design: Karsten Tinapp. Sound Design: Zoë Irvine.
Cello: Matthias Herrmann. Additional music: Nesciens Mater: Jean Mouton, Den Tod.: JS Bach.
Creation: 2014.

スコットランド・グラスゴーを拠点に活動する障害者のパフォーマー Claire Cunningham のソロ公演を観てきた。 健常者のための伝統的なダンスのテクニックを用いず、障害者の身体性を使ったパフォーマンスという点に興味を持って足を運んでみた。 演出的な面ではミニマルでコンセプチャルなコンテンポラリーダンスで、身体語彙として杖を必要とする障害者のものを用いたもの。 舞台は後方と上手に黒い壁を囲むのみで何もなし。 暗めの照明で、多くの時間は彼女の周りを薄明るく照らし出す中、 背丈に対して長すぎる前腕部支持型杖 (Lofstrand Crutch) を2本両腕にパフォーマンスを繰り広げた。 ルネッサンス初期の15世紀フランドルの画家 Hieronymus Bosch の絵に「罪」の象徴として描かれた物乞いする障害者の姿に着想した作品ということで、 大きな動きは無く、微妙にゆらぎのある静的なイメージを作り出すようなパフォーマンスだった。 後半に入って、杖を外して小刻みに震え堪えながらも両足で立ちづつける場面など目を捉えたし、 両腕の杖と後方の壁を支えに身体を宙に浮かしながら J. S. Bach: BWV 4 Cantata “Christ lag in Todesbanden III. Versus II” の歌声の力まない美しい歌声も印象に残った。 時にはっとする場面はあったのだが、全体としては少々単調で長く感じられたパフォーマンスだった。