フィンランドのヴィジュアルシアター/現代サーカスの団体 WHS の共同芸術監督である Ville Walo と、 韓国 KNCDC (Korean National Contemporary Dance Company) の芸術監督 Sungsoo Ahn の 国際共同制作による作品。 関連する作品を観たことはなく、作風などに予備知識は無かったが、 サーカス的な要素を持つコンテンポラリーダンスという期待もあって、足を運んでみた。
コンテンポラリー・ダンスらしい、装飾を抑えて最低限の舞台美術とライティングによる演出。 KNCDCのダンサーが出演していたようで、後半になるにつれキレのいい動きを楽しめた。 作品は整形手術ということだったが、顔を対象とする主題と全身を使った表現とに相性が悪かったか、 むしろ、タイトルにあるような様々な身体イメージの重ね合わせの妙をみせるよう。 左右二人の影を舞台中央で合成したり、少し異なるポーズの4人の影をコマ送りのように投影したりと、 影を使った演出は面白かった。 が、サーカス的な要素はジャグリング程度。 整形された顔の象徴だろうか、マネキンの腰部を複数使ってジャグリングしたり、 首の後ろに乗せて違バランスを取って、もう一つの顔が付いた姿を示したり。 しかし、ジャグリングというよりサーカスならではのアクロバティックでトリッキーな動きを 期待していたところもあったので、少々肩透かしだった。