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Review: Mircea Cantor: Adjective to your presence @ Maison Hermès Le Forum, Ginza (美術展)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2018/05/14
銀座メゾンエルメス フォーラム [Maison Hermès Le Forum, Ginza]
2018/04/25-2018/07/22 (不定休), 11:00-20:00 (日 11:00-19:00)

ルーマニア出身でフランス・パリを拠点に活動する Mircea Cantor の個展。 国際現代美術展でその作品を観たことはあるが、さほど強い印象は残っていなかった。 今回の個展の表題作である、透明なアクリル板で作られた何も書かれていないプラカードを持った人々が新宿中央公園を整然と歩く様子を捉えたビデオ作品は、 プラカードが透明であることより反射で映っている木々や空を掲げているように見えることが面白く感じる程度だった。 もう一つの作品、アルミ製の西洋式の風鈴 (wind chime) を数十個整然と並べて吊り下げたインスタレーションは、 出入りのドアと連動して鳴るようになっていた。 その端正な形状と鳴り響く鈴の音は、記録ビデオで観たらさほどではなかったかもしれないが、 実際にそこにある質感を見て、ギャラリー空間に音が満ちる様を体感すると、 そのクリアな質感形状と音が自然に入ってくるように感じられた。