TFJ's Sidewalk Cafe > Dustbin Of History >
Review: Machine de Cirque: Machine de Cirque @ あうるすぽっと (サーカス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2018/7/20
あうるすぽっと
2018/7/21, 14:00-15:30.
Idée originale et écriture du spectacle: Vincent Dubé; Direction artistique et mise en scène : Vincent Dubé
Interprètes: Yohann Trépanier, Raphaël Dubé, Maxim Laurin, Ugo Dario; Olivier Forest (musicien).
Compositeur: Frédéric Lebrasseur.
Crée: May 2015.

Machine de Cirque は、カナダ・ケベック州ケベック・シティを拠点に2013年に設立されたコンテンポラリーサーカス・カンパニー。 まだレパートリーは2作品だけのようだが、カンパニー名ともなっている最初の作品で来日した。 コンテンポラリーダンス作品に多く観られる抽象的でコンセプチャルな作品でもなく、 象徴的な演出で大きなストーリーを浮かび上がらせる程でもなく、 比較的素朴に技を繋いで行くような演出だったけれども、 ミュージシャンも技に絡みつつ、アクロバティックなパフォーマンスも楽しい舞台でした。

スチールパイプで三段の足場を組んで、両翼にチャイニーズポールとなる柱を二本組立てた装置を使ってのパフォーマンス。 出演は男性ばかりの4人ということで、技は力強くコミカルなものが中心。 アクロバットにトラペーズとチャイニーズポールの組み合わせや ティーターボード (teeterboard) だけでなく、 ジャグリング、一輪車などの技も組み込んでいました。 女性の観客を舞台に上げての好色なキャラクターによるコミカルなマイム劇や、 素っ裸になってのタオルを使ったジャグリングなど、おバカな演技も交えて、笑いを取っていました。 大道芸フェスティバルの中の特別プログラム等に組み込むと受けそう、と思ってしまいました。 アーティなコンテンポラリーサーカスも好きですが、こういうサーカスも楽しいものです。

音楽は、アコースティックなドラムセットと電子楽器も組み込んだパーカッションのセットを使い分けつつ、パーカッシヴな生演奏。 それも、ミュージシャンに脇での伴奏に徹させるのではなく、セットを可動式にしてパフォーマンスに巻き込み、 ミュージシャンも、セットに留まらず、足場自体を打楽器にしたり、ミュージカル・ホースを使ったり、 フィナーレのティーターボードの場面にはエレクトリックなカヴァキーニョかウクレレを弾い歩いたりもしました。 やはり、サーカスの音楽は生演奏の方が、パフォーマンスも盛り上がります。