少し空いた時間に入った美術館でやっていた展覧会で、出展作家についての予備知識は無かったのですが、 秋田と富山ガラス造形研究所に縁のある2人のガラス造形作家の展覧会です。 ガラス工芸に近い文脈の作家のようですが、ガラスを素材とした器や照明のデザインの展覧会では無く、 ガラスをメインの素材とした立体作品やインスタレーションの美術作品の展覧会でした。 小牟禮 尊人 『ガラスのこだま』 のような作品にしても本郷 仁 『外のうちと、内のそと』にしても、 オブジェの色や形の面白さ美しさというより鑑賞者とのインタラクションを意識している所など現代美術的ですが、 コンセプチャルに過ぎずに、シンプルかつややトリッキーに造形による視覚や聴覚の面白さを体験させる、なかなか良い展覧会でした。
今年の6月に釧路芸術館で観た 八戸 耀生 『風に導かれ 僕は旅をする』 [鑑賞メモ] もそうでしたが、 移動の空き時間に入った地方の美術館で予備知識なしで観た展覧会が良いと、良い旅先での出会いがあったような気分になれます。
秋田県立美術館、秋田市立千秋美術館といった市内のアートスポットや商店街を繋ぐ artlineAR というアプリがあったので、 街歩きついでにやってみたのですが、単に作品中の動物が動き出したり、秋田犬が出てくるだけ。 そういう単純な親しみやすさもあってもいいかとは思いますが、行った場所の歴史的地理的なエピソードを知るフックのようなものもあればと思ってしまいました。