振付家 Борис Эйфман [Boris Eifman] が1977年にソ連レニングラード (現ロシア・サンクトペテルブルグ) に創設した バレエ・カンパニー Театра балета Бориса Эйфмана [Eifman Ballet] の21年ぶりの来日公演です。 古典ではなく Эйфман オリジナルの作品、それも、心理的な物語バレエを上演するカンパニーで、 コンテンポラリーダンスや Royal Ballet などの西欧のバレエ団とは異なるセンスの現代バレエが観られそう、という興味で足を運んでみました。 ちなみに、今回観た Анна Каренина [Anna Karenina] は、 新国立バレエ団も上演している作品です。
1870年代のロシアを舞台とする Л. Н. Толстой [L. Tolstoy] の同名小説に基づく Анна [Anna] と Каренин [Karenin]、Вронский [Vronsky] の3役と男女16名ずつで演じられる2幕の作品ですが、 力強くキレの良い群舞と、コントーションがかったアクロバットのようなパ・ド・ドゥでのリフトなど見応えあるバレエでした。 象徴的な表現はミニマリスティックではなく、むしろ群舞で表現され、 特にラストの Анна の自殺の場面での機関車の表現など群舞へのこだわりを感じました。
しかし、Анна を挟んでの三角関係の3人に絞って物語を簡略し過ぎのようにも感じましたし、 自分の好みがミニマリスティックな演出ということもあるのか、 物語の世界には入り込めずに、すれ違ったまま終わってしまいました。こういう時もあるでしょうか。