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Review: 難点を一点挙げれば、この状況を示すために独白的なセリフを用いたところ。 La Cie. Quotidienne: Vol d'usage @ 座・高円寺1 (サーカス)
嶋田 丈裕 (Takehiro Shimada; aka TFJ)
2019/07/28
Vol d'usage
座・高円寺1
2019/07/27, 13:00-14:00.
Conception & vélo acrobatique: Jean Charmillot; Conception & sangles aériennes: Jérôme Galan; Regard extérieur: Marc Vittecoq; Création musicale: Yannick Tinguely; Costumes: Emily Cauwet; Création lumières: Lydie Del Rabal; Administration: Valérie Binn.
Création 2016.

La Cie. Quotidienne はフランスのサーカスカンパニーという程度の予備知識しかありませんでしたが、 毎年優れたサーカスを呼ぶ座・高円寺の夏の子供向けプログラム「世界を見よう!」ということで、足を運んでみました。 自転車曲乗り (vélo acrobatique [acrobatic cycling]) を得意技とする Jean と エアリアル・ストラップ (sangles aériennes [aerial strap]) を得意技とする Jérôme の男性2名による、 それぞれが得意とする技を見せるというのではなく、2人での曲乗りやエアリアル、そして曲乗りとエアリアルを巧みに組み合わせた約1時間のパフォーマンスが楽しめました。

小道具の椅子2脚だけで大道具や装飾は無し、中央にストラップを2本垂らしただけの円形舞台を使い、そこを回りながら自転車の曲乗りを見せていきます。 一方、エアリアル・ストラップといえば前転や後転の動きで腕や脚にストラップを巻きつけながらの上下方向の力強い動きで見せるというのが一般的です。 この作品でもそういう上下の動きを使った時もありましたし、スウィングも交えましたが、 むしろ、中央から垂らしたストラップを握りながら円形舞台を回るように走ることで、遠心力で浮き上がるという使い方が特徴的でした。 エアリアル技は高さで見せることが多いわけですが、この低く浮遊するようなエアリアル技は新鮮に感じられました。 自転車曲乗りと低く浮き上がるエアリアルは、どちらも円形舞台を回りながらの演技ということで、相性も良く組み合わせも多彩でした。

前半では明かされないのですが、 ちょうど信号が変わるタイミングで交差点を突っ切るように坂を使って加速した自転車に乗った少年が、 交差点で出会い頭で自動車に衝突しそうになるも、咄嗟に無意識な動きで自動車の上を飛び越えるとことで衝突を免れた、 その飛んでいる際の時間が止まったかのような不思議な感覚をテーマとしていました。 約1時間分の技を繋げる枠組みといえばそうなのですが、この状況を物語るために曲乗りとエアリアルを組み合わせて演技しているよう。 ダイナミックながらゆっくりとした時間が流れるような、ふんわり浮遊感も感じさせる、幻想的なパフォーマンスが楽しめました。