1984年に京都で結成されたパフォーマンスを含むメディアアートのグループ Dumb Type の Centre Pompidou-Metz での2018年の個展をベースとした回顧展です。 といっても、大規模なものではなく、企画展示室ワンフロアだけ、 インスタレーションは4点だけの展示は、こじんまりしたものを感じました。
自分が Dumb Type を初めて観たのは 古橋 悌二 の没後の1990年代後半、 熱心な観客というわけではありませんが、高谷 史郎 の舞台作品や 池田 亮司 の音楽/美術作品をそれなりに観てきていることもあってか、 ヴァリエーションも含めそれなりに見覚えがありました。 デジタルデータ処理の時代の美学を可視化したような格好良さはあるのですが、 パフォーマンスを観ていてもスタイリッシュながら空虚さを感じることが多いのも確か。 この展覧会でも虚ろな無人のパフォーマンスを観ているように感じるときがありました。
東京都現代美術館がアニュアルで開催しているグループ展です。 今年のテーマはコピー、サンプリング、書写といった技術を用いた作品ということのようですが、 造形に着目しているというより、プロジェクトをインスタレーション化したものが中心。 そんな中では、かえって、伝統的な平面作品に落とし込んだ 鈴木ヒラク の作風が印象に残ってしまいました。
コレクション展示室では 『MOTコレクション 第3期 いまーかつて 複数のパースペクティブ』。 モダニズム終演後の20世紀末以降のコンセプチャルな作品と、20世紀半ばの現代絵画作品とを 半々で対比させるかのような構成でした。
企画展示室 3Fでは 皆川 明/minä perhonen 『つづく』。 服飾デザイナー 皆川 明 とそのブランド minä perhonen の展覧会です。 さすがにブランドは知っていましたが、今まで自分とはほとんど接点がありませんでした。 美術館に着いて、ホワイエのチケット売場や、カフェ、レストランが大変な混雑を見て、 さすがに Dumb Type の人気は凄いなと思ったのですが、 実際はほとんどの客はこちらの展覧会を目当てにしていたのでした。 自分と接点があまり無い女性服であることに加え、人混みに圧倒さえれて、展示が入り込むことができませんでした。