『ドヴラートフ レニングラードの作家たち』
2018 / Russia/Poland/Serbia / colour - 2.35:1 / 126 min.
Режиссёр [Director]: Алексей Герман мл. [Alexey German Jr.]
Автор сценария [Screenplay]: Алексей Герман мл. [Alexey German Jr.], Юлия Тупикина [Yuliya Tipikina].
В главных ролях [Starring]:
Милан Марич [Milan Marić] (Сергей Довлатов [Sergei Dovlatov]),
Данила Козловский [Danila Kozlovsky] (Давид),
Helena Sujecka (Елена Довлатова [Elena Dovlatova]),
Артур Бесчастный [Artur Beschastny] (Иосиф Бродский [Joseph Brodsky]),
Антон Шагин [Anton Shagin] (Антон Кузнецов [Anton Kuznetsov]),
Светлана Ходченкова [Svetlana Khodchenkova] (актриса [actress], подруга Довлатова [Dovlatov's ex-girlfrend]),
Елена Лядова [Elena Lyadova] (молодой редактор [young editor])
Production: САГа [SAGa], Метрафильмс [Metrafilms], Channel One Russia.
Co-production: Message Film, Art&Popcorn, Ленфильм [Lenfilm].
1978年にソ連から亡命し1990年に移住先のニューヨークで亡くなった小説作家
Сергей Довлатов [Sergei Dovlatov] の伝記映画です。
と言っても、生い立ちから亡命生活までの生涯を辿るものではなく、
1971年の革命記念日 (11月7日) の前日までの6日間を取り上げて、
レニングラードで雑誌記者として糊口をしのぎつつ
作家連盟への加盟し作品の文芸誌掲載を目指す Довлатов の日々の生活を描いた映画です。
労働者詩人 Антон Кузнецов [Anton Kuznetsov] の取材中の地下鉄工事現場で独ソ戦 (大祖国戦争) 中に犠牲となった子供の死体に掘り当たってしまう現場に立ち会ったり、
闇取引に手を出した芸術家仲間の美術作家 Давид が目の前で逮捕され連行中に脱走して飛込自殺するかのように交通事故死したり、
女優となった若い頃の恋人と再会したり、別居中だった妻とよりを戻したり、と、
約1週間にしては様々な出来事が次々と起こります。
1971年の革命記念日 (11月7日) の前日までの6日間に実際に起きたことを映画化したというより、
レニングラード時代の Довлатов のエピソードを6日間に重ね合わせて映画として描いているようにも思われました。
しかし、次々起きる出来事を一つの結末に向けてドラマチックに関係付けるようなことはなく、
淡々とエピソードを重ねることで、Довлатов の鬱屈した生活を描いていました。
後にノーベル文学賞を受賞することになる Иосиф Бродский [Joseph Brodsky] も出てきますが、
字幕で説明されなかったら気付かなかったかもしれない程のさりげない扱いでした。
ある特定の作家の個性を見るというより、Довлатов を通して
雪解け後再び抑圧が強まり始めた1970年代ソ連で非公式芸術家たちがどういう生活をしていたのか垣間見るようでした。